あの日の僕は。
軽く笑う海里のお父さんの目は海里と似ていた。
「そして俺達は離婚。海里は俺が引き取り、陸也は美弥子が引き取ったってワケさ」
「このこと……海里は……」
「分からない。が、多分知っていただろうな」
「!」
「アイツは知っていて知らない振りをする。俺と似てな」
知らなかったのは……僕だけだったのか!?
海里はこの事実を知ってて僕に接触したのか!?
しっかりとした理由を海里から直接知りたい。
気付いたら僕は家を飛び出していた。