あの日の僕は。








走って走って走って。とにかく走って。


息が苦しくなりながらも僕は会場に向かって走った。













どのくらい走ったのか分からない。


だが気付いたら目の前に会場があった。


「つ、着いた……」


肩を上下に揺らし、めいいっぱい息を吸う。


海里。海里は……。


周りをすばやく見て海里を見つけようとする。







――――いた。


会場の2階の観客席に海里がいた。


他の部員と楽しく話している。



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