あの日の僕は。





しばらく沈黙が続く。




海里がふと空を見上げ、



「陸也は真面目だよ」


軽く笑った。



「俺は俺の生活から逃げ出す為に陸也のことを利用しただけなのにさ。感謝される筋合いないって」



「でも、事実だし」



「……ま、俺も陸也に救われたし、おあいこだなっ」



ニイッと笑う海里。


いつもの明るい海里が戻ってきたことに僕は心から安堵した。



「僕が海里を救う?なんで」


「ヒミツ~」



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