あの日の僕は。
「…………っ」
コイツは将来セールスマンになれるのではないのか。
話術がすごい。
引き込まれる。
「もちろんすぐにとは言わねーから、ゆっくり考え……」
「いーよ。乗った」
「え?」
海里は拍子抜けしたようで、マヌケな声を発した。
「その話乗った。人生交換、やろうじゃないか」
海里がニヤリと笑いながら口笛を吹いた。
「決断がはえーな」
「まぁ、家出中だし」
こんなこと、前世でも来世でもやる機会ないだろーし。
「期間は?」