あの日の僕は。



「何してんの」


「変装グッズを探してる」


変装グッズ?


「コレをつけろ」


そう言われて渡されたのは眼鏡と帽子。


「……なんで?普通は海里がつけるだろ」


「テストだよ、テスト」


テスト?


何のテストだ?


「俺が他人ってバレねーか」


「やめといた方がいい」


僕は即答した。


海里は首を傾げる。


「は?何で」


「なんでもだよ」


僕は渡された帽子を海里に被せた。


「早く行こう」



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