あの日の僕は。



だから僕は僕のまま、家に帰った。


まぁ、予感は見事に的中したわけだが。


さすがに痛い。


「あなたは家出をしたの。自覚してる?」


「うん」


「今日は土曜でしょう?復習はしたの?」


「あ……まぁ」


そっちか。


確かに復習はしっかりしなくちゃだけど。


少しは僕自身の心配もしてくれたって……。


「……あれがそのお友達?」


母さんは海里に目を向けた。


「こんにちはっ」


海里は慌てて頭を下げる。



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