あの日の僕は。



いや、靴もあるし、テレビの音も聞こえる。


まさか……無視?


部屋に行きケータイを開く。


アドレス帳から海里の名前を探し、発信ボタンを押した。


『もしもし~。ちゃんと家に着いたか~?』


意外と早く出たな。


「そりゃ着くよ。子供じゃあるまいし」


『で、用は何~』


「そうだった」


忘れるとこだった。


「お前、この家で無視されてんの?」


『無視っつーか、興味を示されてないっつーか』



< 51 / 232 >

この作品をシェア

pagetop