あの日の僕は。



「…………あっ」


無意識に声を出していた。


それに気付き松川は読書をやめ僕を見る。


「なんでもないっ」


慌てて苦笑い。


松川は首を傾げながら読書に戻った。





……松川の読んでる本。


僕の愛読書だ!


急に出てくる親近感。


その本あまりみんな持ってないんだよ。


マイナーだから。


本について松川と話したい。


でもダメだ。


海里は漫画ばっかりで小説は読まない。



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