If〜桜龍の彼等〜【完】
「寒くなってきたしそろそろ帰るか」


夕日が沈み始めた頃、タクトが静かに立ち上がる−−


「うん」


来た時と同じようにヘルメットをつけてバイクを跨ぐ


目の前にある大きな背中は触れると温かくて、不思議と落ち着く


「ルナ、倉庫に戻るか?それともこのまま家に帰る?」


「う〜ん…家に帰りたい…かな」


「わかった」


そういうとバイクは私の家に向けて走り出した


冷たい風を感じながら思う事は1つだけ


この街でアナタと会いたかった


同じ気持ちを、同じ場所で共有したかった


アナタのいたこの街は…

アナタのように凄く暖かいから


会いたくて会いたくて堪らなくなるよ−−−



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