If〜桜龍の彼等〜【完】
「何かあったのか?」

保健室で手首を冷やしているとスイが真面目な顔で聞いてきた

「何もないよ…」

「じゃあ、あいつ誰?」

「あいつって…?」

「タクトと一緒にいた女」

やっぱり見てたんだ…

「あの子は同じクラスの子で…文化祭の準備を通して仲良くなったんだ」

「大丈夫か?」

「え?大丈夫だよ!」

「本当はタクトに助けてほしかったんじゃないのか?」

「それは…

でも仕方ないもん」

「ルナ…

俺の前で無理するなよ。

泣きたきゃ泣けばいい。

誰にも言わねぇから」


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