If〜桜龍の彼等〜【完】
どれくらい泣いていたのかな

スイはずっと黙ったまま背中や頭を撫でてくれた

「スイ…ありがとう…」

ようやく涙が止まり、スイから離れてお礼を言った

「………。」

ジッと私の目をみつめるスイ

心の中を見透かされそうで思わず目を逸らしてしまった

「いっぱい泣いたらスッキリしちゃった」

笑ってそう言ったけど、スイはニコリともしてくれない

「スイ?私なら大丈夫だよ」

「タクトが好きか?」

「え?」

何でいきなりそんな事聞くの?

「好きか?」

「好きだよ…」

「さっきみたいに辛い事があってもか?」

「うん…。

好き…好きなの…。

どんな事があったって嫌いになれない…。

タクトと離れたくないよ…」

「そうか。

そんなに好きなら頑張れ。

素直になれ。きっと大丈夫だから」

そう言ってスイは私の頭をポンポンと撫でてくれた


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