If〜桜龍の彼等〜【完】
「酷いっ…私は何も…」

目に涙を溜めているけど

そんな嘘、俺には通用しねぇよ

「ルナは何処だって聞いてんだよっ!」

「ちょ、タクトくん、佐和さん怯えてるじゃん」

佐和の近くにいた女達が止めに入る

こいつの正体を知らないからそんな呑気な事が言えるんだよ

「ふふっ。本当みんな単純だよね〜」

突然笑い出した佐和にみんなキョトンとしている

「ルナは何処だ?」

「さぁ?私は知らない。

ちょ〜っとイジメたら勝手に出てったの」

「これ以上ルナに関わるな」

「あら?酷い言いようね。

昨日キスまでした仲じゃない」

佐和の言葉にクラスがざわめく

「お前っ何言ってんだよ!」

「本当の事を言ったまでよ」

否定出来ない…

理由があったにしろ、キスをしたのは事実だ…

何も言い返さない俺を見て更にざわめき出す

「本当にキスしたんだ〜」
「彼女の友達に手を出すなんてな〜」
「あの女は好きじゃなかったけど、桜龍の事は好きだったのに」
「何かガッカリ〜」

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