If〜桜龍の彼等〜【完】

｢人を不幸にしといて自分達だけ幸せになろうなんて許せねぇ｣


何も知らなかった…


ナツにそんな事があったなんて…


だけど…


｢タクトは関係ないじゃん｣


｢あいつも同じだよ。

いろんな女を泣かせてきたんだからな。

お前らも不幸を味わえばいいんだ｣


不幸…


知らなかったとはいえナツには辛い思いをさせたと思うよ


だけど…


私だって…


ずっと幸せな日々だったわけじゃない


｢私から…これ以上大切な人を奪わないでよっ！｣


気が付けば私は叫んでいた−−


｢私だって幸せになりたいっ！

これ以上…大切な人を失うなんて堪えられないっ！｣