If〜桜龍の彼等〜【完】
「じゃあ、仕事あるからそろそろ行くな」


「え?もう?」


「また来るから。な?」


「絶対だよ」


「あぁ。約束な」


そう言ってあっという間に病室からいなくなった


若宮さんも一緒に部屋を出た


まるでさっきまでここにいたのが嘘かのように…


「ルナ?今のって…?」


「あ…うん…

お兄ちゃん………」


「え?」


そりゃ驚くよね…
タクトにはお兄ちゃんの話した事なかったし…


「私が小学生の頃に家を出たっきり会ってなかったの…」


「そうだったのか」


「うん…」


「よかったな。会えて」


「うん…」


今はその言葉を素直に受け取る事が出来ない…



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