If〜桜龍の彼等〜【完】
「俺の事は気にしなくていいから。

ルナが思うようにすればいい」


ルナにそんな顔をさせたいわけじゃないんだ…−−


「ねぇ、タクト…。

私、私ね…

小さい頃からお兄ちゃんが大好きだったの」


「え?」


ルナが突然話し出した−−


「年が10コも離れてるから喧嘩なんてした事ないし、いつも私を可愛がってくれた。

だから自然とお兄ちゃんお兄ちゃんって…

だけど…

私が8歳の時、お兄ちゃんは家を出たの。

『ルナ、ごめんな。』

そう言って頭を撫でてくれて…

それがお兄ちゃんを見た最後」




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