桜色彼氏

―ビュウッ

「わぁ…強い風!」


桜の木が揺れ踊る。


「ハルカ…」

オウスケが後ろから抱きついてきた。


「俺…本当はまだハルカと一緒に居たい…」


思わず飛び出したオウスケの本心に、私は泣きそうになった。

黙ってうなずくしかできなかった。


「弱くてごめんな…。必ず、強くなって戻ってくるかな……それまで待っててくれるか?」

「うん……うん!待ってるよ、いつまでも!」


私は頭だけ後ろを向いた。


オウスケと目が合って…

唇が重なった。



< 18 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop