桜色彼氏
―ビュウッ
「わぁ…強い風!」
桜の木が揺れ踊る。
「ハルカ…」
オウスケが後ろから抱きついてきた。
「俺…本当はまだハルカと一緒に居たい…」
思わず飛び出したオウスケの本心に、私は泣きそうになった。
黙ってうなずくしかできなかった。
「弱くてごめんな…。必ず、強くなって戻ってくるかな……それまで待っててくれるか?」
「うん……うん!待ってるよ、いつまでも!」
私は頭だけ後ろを向いた。
オウスケと目が合って…
唇が重なった。