桜色彼氏

おじさんが口を開いた。



「オウスケな…今さっき……すぐそこの道路で……トラックに……」

声が震えていた。


「ぇ……嘘…ですよね?」


誰も、なにも言わなかった。


私も何も言えなかった。



「ううっ…」

おばさんがしゃがみこんだ。



何も言えなかった。

何もできなかった。


泣き叫ぶことすらできなかったー…。



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