不器用な愛を。【短】


だって私…気づけなかった。



聖斗に出逢うよりも前から、
子供の頃からずっと一緒にいた海。

私より2年遅く生まれた海とは、ママ同士の繋がりで兄弟のように育てられた。


いつも私の後ろに着いてきて
いつも私のそばにいた。

まるで本当の弟みたいに。



そんな海の隠し続けていた気持ち。

誰にも気付かれないようにと、
静かに封じ込めていた気持ちに

私は全く気付けなかった。




『俺は華(ハナ)のことを一度だって姉ちゃんだと思ったことはなかったよ』




あんなに悲しい気持ちになる告白は
生まれて初めてだったの。




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