黒騎士さんを愛してる〜Dead end love〜
俺達は、ちょっと会話しながら歩いて
マンションに着いた。
「ここ」
「ほんとに来ちゃった…」
人事みたいに言う彼女は、無表情じゃなくて、苦笑いしてた。
「別に、大丈夫だよ。お客さんもよく来るし。何もしない」
「そっか。これも営業のうち?」
「まぁね」
鍵を開けて、見慣れた玄関に入る。
そのとき、後ろからか細い声が聞こえた。
「ねぇ…黒騎士さん」
「何、黒騎士さんて」
また変なことを言い出すなぁと思いながら、俺は洗面所の電気をつけた。
「圭吾さんだよ。黒い騎士みたいじゃん」
「ふーん。初めて言われたけど」