いじっぱり片思い
たたた…


「由加ちゃーん!帰ろー」

「あ、うん。」

「っって、違った!」

「え?何、どうしたの。」

杏美は声を潜めて……


「ねぇ、松野君カッコいいよね・!?」

「え、誰それ…」

「私の隣の席の人ー♪」

「へ、へェー……」

ちらっとその人を見てみる。


エナメルバックを肩にかけ、男子に囲まれていた。


「……い、いいんじゃ…ない?」
(えー、どこがカッコいいのー?)


「ちょっと!今どこがいいのー?とか思ったでしょ!」

「あ、バレた?」

「由加里、顔に出てるしー!!」

杏美は私のほっぺたをつねる。

「いふぁいひょー!ひょっひょやふぇふぇー!」
(いたいよー!ちょっとやめてー!)

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