いじっぱり片思い
私はぶつぶつ言いながらパンをかじる。
「あ、もう行かなくちゃ……。」
「もう行くの?早くない??」
お母さんが眠そうな声で言う。
「うん。早めに行くの。」
「なんで」
「え、だって早く行きたいじゃん。」
「ふぇ〜……」
「…………行ってきます。」
ものすごくムダな会話をして私は玄関に向かう。
ーギィ…
ブワッ!
「わぁ!」
サクラの花びらがブワッと顔にかかる。
それと同時に手からハンカチが吹き飛ぶ。
「あ!!」