恋せよ、乙女!! 【短編集】
だいたい何で私なのよ。
パシリならいくらでもいるはずよ。
だって、朝倉 涼はああ見えて
結構モテているんだから…。
ガコっと落ちてきた缶ジュースを
拾い上げて立ち上がろうとしたとき。
「あいたっ」
「うわっ」
周りを見ていない私は、誰かと当たってしまった。
「あいたたたた…ごめんなさ…」
「いや、大丈夫だよ。そっちは?」
「あ、だだだ大丈夫です!」
なんと、当たった相手が憧れの先輩だった。
「気をつけてね、上野さん」
「は、はい!」
うわー、名前で呼ばれちゃったよ。
今日はラッキーな日かも!