14日の憂鬱
「あんたっ?! また勝手にあたしんとこから教科書持って行ったでしょーっ」
教卓の下で一生懸命背を縮めていたサトケンはあっけなく奈津子ちゃんに捕まっていた。
「だ、だってーっ。…わーっんなに怒んなよー」
「何で同じクラスのあたしの教科書持ってくわけーっ?!あたしだって困るじゃんっっ」
怒鳴る奈津子ちゃんと、普段は180センチ近くあるはずのサトケンが縮こまる姿は今では日常茶飯事で、周りの人たちも「まただよ~」と笑いながらその光景を眺めていた。
奈津子ちゃんとサトケンは同じ中学で、奈津子ちゃんは何かとサトケンの世話を焼いて
いる。
その世話女房ぶりに、二人がどーして付き合っていないのか不思議なぐらいだった。
でも、サトケンはともかく、奈津子ちゃんは好きなんじゃないかな。
女の子特有の、好きな人のためになら何でもやってあげたいって感じがする。
サトケンだって、朝は「どこかにきっと俺のこと思ってるやついると思うんだよね~」とか言ってたけど、奈津子ちゃんが自分にとってかけがえの無い存在だって、きっと気づいているんじゃないかなと、思った。
やっぱり…女の子は素直じゃなきゃダメ、だよね。
私も、奈津子ちゃんや加奈子みたいに、好きな人のために何かをしてあげたいなぁ、と漠然と思ってしまった。
でも……
私。
好きな人って…誰だろう。
別に…永井のことは…好きじゃないよ…。
教卓の下で一生懸命背を縮めていたサトケンはあっけなく奈津子ちゃんに捕まっていた。
「だ、だってーっ。…わーっんなに怒んなよー」
「何で同じクラスのあたしの教科書持ってくわけーっ?!あたしだって困るじゃんっっ」
怒鳴る奈津子ちゃんと、普段は180センチ近くあるはずのサトケンが縮こまる姿は今では日常茶飯事で、周りの人たちも「まただよ~」と笑いながらその光景を眺めていた。
奈津子ちゃんとサトケンは同じ中学で、奈津子ちゃんは何かとサトケンの世話を焼いて
いる。
その世話女房ぶりに、二人がどーして付き合っていないのか不思議なぐらいだった。
でも、サトケンはともかく、奈津子ちゃんは好きなんじゃないかな。
女の子特有の、好きな人のためになら何でもやってあげたいって感じがする。
サトケンだって、朝は「どこかにきっと俺のこと思ってるやついると思うんだよね~」とか言ってたけど、奈津子ちゃんが自分にとってかけがえの無い存在だって、きっと気づいているんじゃないかなと、思った。
やっぱり…女の子は素直じゃなきゃダメ、だよね。
私も、奈津子ちゃんや加奈子みたいに、好きな人のために何かをしてあげたいなぁ、と漠然と思ってしまった。
でも……
私。
好きな人って…誰だろう。
別に…永井のことは…好きじゃないよ…。