14日の憂鬱
「美奈ぁ…そしたら…加奈言う意味なくなっちゃうよぉ…」



「……加奈子…」




加奈子の真剣な、先輩への思いが一気に感じ取れて、私まで一緒に泣きそうになってしまった。



確かに、誰かが先にチョコを渡してしまったら…。




こういうのは言ってしまった者勝ちだしね…。




先に告白するその人だって、加奈子と同じように相手のことを心底思っていたんだろうし、それを止めることは誰にもできないよね…。


だけど、加奈子の言う不安もとっても分かる。


自分の気持ち。


今までずっとひっそりと育ててきた自分の気持ちを伝えられないなんて……



悲しいよね。




私は、加奈子の頭をなでる事しか出来なかった。





なぜなら、私も同じような不安を抱えていたから。

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