14日の憂鬱
永井のことが、瞬時に思い出されてしまった。



永井も……誰かからチョコ、貰うのかな。




ずっとずっと、実は朝から胸に引っかかっていたこと。



自分は渡さないし、と、自分のことばかり考えていたけれど、





永井がチョコを貰わないとは限らない。




そのことを私は、考えないようにしていた。




だけど、今日朝からずっと気分が優れないのは、そのせいなんだと、




目の前の親友が悩む姿を見て、気づかされた。







「……加奈子? そんなこと言っちゃダメだよ!」





私はひときわ明るい声で、加奈子の肩をポンッと叩いた。






机に突っ伏していた加奈子が、私の声に面を上げる。

「……美奈」


「ねっ加奈子! もし…振られたって、言えるだけイイじゃない!」



「言えるだけ…」



「そーだよっ!加奈子一年間ずっーと、先輩のこと思ってたのに、言えないままでイイの?今日の為に、やれる事いっぱいやったじゃん!」






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