14日の憂鬱
「サトケンどーしたかなぁ?」




打ち合わせと共に集まった部員と先生にチョコを配るため、私と加奈子と2年生の先輩マネージャーの三人は、一足先に部室に集まっていた。




加奈子が大きな袋から一つずつチョコを取り出しながら、少し嬉しそうにそう言った。



「そーだなぁ。サトケンはなんだかんだ言って、奈津子ちゃんに告白するんじゃない?!」



「そーですかねぇ…結局ヘタレ具合を表す結果になりそうな気もするんですよねぇ」



「確かに…」



加奈子と先輩マネージャーの会話が面白くって、私は思わず笑ってしまった。




「うーっす」


その時、部員が二人部室に現れた。





「アレって、告白かなぁ?」


「そーじゃねぇ?あの雰囲気は」







そんな会話をしながら椅子に座る二人に、加奈子がどーしたの?と聞く。



「いや、ちょうどさ、教室出るときに、俺のクラスの女がよ~」



「誰かに告白してたの?」






加奈子は少しワクワクしながら話に入っていった。



「わかんねぇ。けど、これからそーなるような感じだったぜ」


「で?誰と誰??」



彼らが座る椅子の前に置かれた机に、ぴょんぴょんと跳ねながら尋ねると。







「永井と宮田」



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