14日の憂鬱
加奈子は、先ほどまでの笑顔が固まり跳ねていた足を止めた。




「いや、わかんねぇよ。けど、なんつーの?妙な空気流れていたからよ」


彼は未だしゃべり続けていたが、加奈子は既にその場を離れ私の元へ近寄った。




「美奈…っ!」





私の両肩を揺さぶり、名前を呼ぶ。






私はというと、もう、放心してしまっていた。


床がぐにゃりと歪んでいるような感覚。



加奈子の声も何だか遠い。





「美奈っ!…いいのっ?!このままでっ」


「……え?」






加奈子はまるで、自分の身に起きたことのように必死で私に訴える。


だけど、私は






「…大丈夫だよ…。別に…好きじゃないもん」



少し笑顔で答えてしまった。

< 38 / 52 >

この作品をシェア

pagetop