俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「てかコモ、さすがにそろそろバレー部はやめとけよ?」


「え?なんで?」


「だってそろそろ限界だろ」


「あはは、大丈夫だよ。俺うまくやってるもん」


小森の爽やかな笑い声に


俺は怒りと悲しさで拳を握りしめていた。


いい加減、黙れよ…


黙らないとマジで殴りそう



「で、次は誰よ?」


俺は暴れたい気持ちを抑えながら、聞き耳をたて続ける。


「加奈子」


――――は?


加奈子ちゃん―…?


「え?コモ、夏木はもう一回、別れたんじゃん?」


「別れたのは作戦だから」


「はぁ?」


小森の言葉に
頭がガンガンしてくる。


「加奈子、なかなかヤらせてくんないんだもん。だから一回離れてみたの」


「へ~?そんで?」


「で、寂しがってるとこに俺が戻るって訳。梓にいったけどやっぱり加奈子が忘れらんないって寄り戻して愛を深める的な?」


俺が小森を見ると、小森はストレッチを終えて立ち上がる所だった。


「お前そんなうまくいくかよ~」


「あはは、加奈子はお人好しだからそういうのに弱いんだって。多分そこで俺が泣けば一発OK?」



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