俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「お前、せっかくいい奴なのになんでそゆとこは鬼畜なの?」


「うっせ~よバカ」


小森と友人は笑いながら体育館に戻るのに歩き出した。





「……………」


俺は背後から小森に近付くと、その肩に手をおいた。



「ん?」


小森は少しびっくりした顔で振り返ると俺を見た。


「え?確かあんた…水梨だっけ?」


小森は俺の名前を知っていた。


「え~と、何か用?」


小森は困ったように小さく笑う。







「…テメェまじで許さねぇ」







怒りで…



声が震えたのは初めてだった。





――バキッ!!


俺はそのまま思い切り小森を殴った。


「!!」


ドサッ…と

小森の友人が固まる前で小森は派手に地面に倒れこんだ。


「……………」


小森はムクッと起き上がると、尻をついたまま少し血がついた口をぬぐった。


「…げほっ…ってぇ…」


ってぇ…じゃねんだよ。

全然足りねぇ


「立てやコラ」


俺は冷たい目で小森の胸ぐらを掴むと


そのまま小森を無理やりまた立たせた。


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