俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
―――――――…


電車に乗り、加奈子ちゃんの家の近くまでやって来た。


「俺…加奈子ちゃんと付き合い初めてからまじダサいね」


加奈子ちゃんが隣にいる幸せを改めて噛みしめるように


俺は加奈子ちゃんの手に指を絡ませながら頭をかいた。


「ヒロキくんはカッコいいよ。…思ってたより泣き虫だけど」


ふふふと笑う加奈子ちゃんに、俺は少しガックリくる。


やっぱりそう思われてるよな~


情けなくて少し赤くなる。


「…言っておくけど。俺加奈子ちゃんと付き合う前はマジで泣いたりとかしなかったから」


言い訳がましいけど

男としてソコはあまり勘違いされたくない。


「はいはい」


そんな俺を加奈子ちゃんは笑いながら適当にあしらう。


「あ―…全然信じてないだろ?」


「ふふ、泣き虫でも良いじゃん」


加奈子ちゃんは背伸びして俺をあやすようにヨシヨシした。


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