俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
―――数十分後


俺が待ちくたびれた頃にようやく加奈子らしき人影を発見した。


勝手に来といてなんだけど

やっと来たか…って心境。


俺が片手をあげると加奈子は小走りになった。


「え~?!迎えに来てくれてたの?待たせてゴメンね!」


加奈子は俺を見て驚いていた。


「ほんとだよ。マジで待ちくたびれて疲れたし」


理不尽に拗ねる俺に加奈子は笑った。


「あはは、ゴメンね?嬉しいよありがとうね~」


加奈子の笑顔がまぶしい。


ついでにTシャツにミニスカートの加奈子の素足もまぶしかった。


「いいよ。加奈子が可愛いから許す」


そんな俺に


「やめてよ―///視線がエロい!」


加奈子はそう言って俺を叩きながら笑った。


「あ~もう、ヒロキのせいで、余計に暑いよ」


「あはは、楽しいね」


「……///」


今度は頬を赤くする加奈子。


そんな加奈子の表情も会話も、全部がやばい。


出会ってたった数分で

もうこんなに楽しいとかあり得ねぇだろ。


俺と加奈子は手を繋ぐと家に向かった。

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