俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~

射ぬかれた理性

俺がリビングに行くと加奈子はてきぱきと片付けを開始していた。


掃除は得意と言うだけはある。


「物をこうやってまとめて置くだけでも、かなりスッキリするよ」


「お~…本当だ」


加奈子の指示に従って俺も片付けを手伝う。


「ヒロキ~雑巾とかある?」


「ん?洗面所の下探してみて」


洗面所から戻ってきた加奈子は雑巾を絞り床を拭き出した。


「そんな事までいいのに」


「でも埃たっちゃったし。ヒロキは片付けしててね」


「ラジャー」


そのまま俺は片付けを、加奈子は床拭きを続けた。










エアコンをつけたリビングでも掃除をしていると意外と暑い。


「ふぅ…」


俺は少し手を休めると床を拭く加奈子を見た。


「………!」


俺は思わず胸に手を当てて

ハートの矢で射ぬかれた心臓を押さえた。


つ―かね…

ミニスカートで床拭きって駄目だろ


加奈子は意外と天然なのか…

はたまた狙ってやってるのか…


どっちでもいいが、何で今まで気付かなかったのか


すごく勿体ないものを見逃していた気分だ。


とにかく悩殺された俺は、掃除どころじゃなくなった。


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