俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
――――…


身だしなみを整えて
俺たちがリビングに行くと


親父はいつものくたびれたスーツから今日はちゃっかり部屋着に着替えて待っていた。


黒いTシャツに半パンの親父はなんだかいつもより若く見える。



「あの、お邪魔しています。夏木加奈子といいます」


加奈子は親父に挨拶をした。


少し緊張ぎみの加奈子に親父も緊張ぎみに俺をみる。


「お前…彼女いるなら言えよ。しかも来るなんて聞いてなかったぞ///」


この家に客が…

しかも女の子が来るなんて初めてのことで


親父は照れているらしく困った顔をしていた。


「わりー」


「すみません、突然お邪魔して…」


「いやいや!加奈子ちゃんはいいんだよ。」


慌て笑う親父はちゃっかり加奈子を下の名前で呼んでいた。


別に親父にまでやきもちは妬かないけど。


親父を見て少しポ―ッとしている加奈子を見て俺は口を尖らせた。


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