俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「加奈子は最低じゃないよ」


「…………」


「加奈子は優しいよ」


親友が大切だけど劣等感を感じてしまう気持ちは俺もよくわかる。


加奈子は自分の気持ちと戦いながらも


やっぱり愛子ちゃんを大切に想っている


大切だから自分が嫌になるんだ。


「むしろ加奈子が不安になるのはきっと俺のせいだから」


「え…?」


加奈子は顔を上げてベッドの上の俺を振り返った。


不安に小さくなっている加奈子は、俺と同じだ。


俺と同じでどこか自分に自信がないから


きっと無意識に加奈子は俺の気持ちを試してしまったんだろう。


いつも俺を支えてくれた加奈子


そんな加奈子の弱い部分に俺も初めて触れることが出来た気がした。


「不安にさせてごめんな?」


今まで気付かなくてごめん


俺が不甲斐ないから加奈子は弱みを見せれなかったんだ。


「加奈子、おいで?」


俺は小さく膝を抱える加奈子を後ろから抱きしめると


そのままベッドに上げて抱きしめた。


加奈子の体から力がぬけていく


「ぐす……なんかごめんね」


加奈子は俺の胸に頬を寄せた。


「加奈子すげぇ好きだよ」


加奈子が俺の気持ちを試したりしなくて良くなるくらい


不安を感じなくなるくらい


これからは俺も加奈子の気持ちを大切にしようと思った。


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