俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
は…

えっと…


「………」


俺は頬をかいた。


今日はもう思考のキャパが限界なんだけど。


あんま難しい話はしたくないんだけど。


とりあえず、加奈子ちゃんが泣きそうなのは


フラれた俺に同情してんのか?


「………」


俺はくしゃっと自分の髪を触る


同情とかならいらねぇし

同情するくらいなら、そっとしといてくんねぇかな?


「はは、加奈子ちゃんは優しいねぇ」


俺は適当に言葉を返した。



「…また笑ってるし」


「………」



俺は少し眉をひそめた。


だめだと思いつつ苛々してくる。


加奈子ちゃんの意図がわかんねぇ


だいたいコイツに今の俺の気持ちなんか分かるかよ


「関係ないだろ。ほっといてくんねぇ?」



< 16 / 280 >

この作品をシェア

pagetop