俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「わぁ!ほんとに可愛いね」


加奈子はゲージに歩みよると、張り付くように子犬を見た。


俺もそんな加奈子の横に立つ。


「すげぇふわふわだね」


「うん、可愛い~///」


子犬をあやすようにゲージに向かって笑いかける加奈子。


ありがちだけど


可愛いっていう加奈子がかわいい。


「なんか加奈子、このポメラニアンに似てるね」


「嘘だ~どう見てもこんなかわいくないよ」


俺が加奈子を見つめていると、ふいに加奈子が顔を上げた。


「てか今、ヒロキ話し反らしたけどさ」


「うん?」


「ヒロキ、本当にそろそろ考えなきゃ駄目だよ?」


あれ?

またその話?


心配そうな顔の加奈子に、俺は苦笑した。


「わかった。ちゃんとわかったって。また考えるから」


俺の答えにまだ不満そうな加奈子。


俺はそんな加奈子の耳元に口を近付けた。


「それより今日うち寄れる?」


「え~…?」


また話しを反らす俺に加奈子は口を尖らせた。


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