俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「…暗いから送る」


俺は加奈子の目を見ずにそう言うと立ち上がった。


「…………」


加奈子も黙ってついてくる。









外に出ると空気が冷たくて思わず身を小さくした。


いつもならつなぐ手も


今日はなんだか遠くてつなぎずらい…


いつもよりもずっと冷たい手を俺は仕方なく制服のポケットに突っ込んだ。


暗い道を街灯がぽつりぽつりと照らし、悲しい気持ちが増していく。


時折、俺は足をゆるめて振り返った。


加奈子はうつむいたままちゃんと付いてきていた。


なんだか加奈子がわかんねぇ…


俺たちはそのまま駅まで無言だった。


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