俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
教官室に入ると、授業中のせいか他の教員は居なかった。
閉められた窓にインスタント珈琲の匂いがほのかに漂う教官室。
「まぁ座れや」
おっさん教官は椅子に座るよう俺に勧めた。
夏休みは立ちっぱなしで怒られたけど
今回は椅子に座らせてくれるらしい。
言われた通りに俺が座るとおっさん教官もその前にどっかりと腰をおろした。
回るタイプの椅子がキィキィと音をたてる。
おっさん教官は小指で耳をほじりながら俺を見た。
「それでお前、例の彼女とはその後どうなっとんだ?」
「え?彼女っすか…?」
予想外の問いかけに俺は少し驚く。
だけどおっさん教官は至って真面目な顔をしていた。
そんなおっさん教官に俺は小さく感動した。
夏休みのあんな小さなひとこまを、おっさん教官は覚えていてくれた。
おっさん教官にとっては、どうでも良いことのはずなのに…
「あ~あの後はお陰さまで、ラブラブになりました」
少し照れる俺におっさん教官はにやりとした。
「そうか。ちょっと気になっとったんだがそりゃ良かったわ」
閉められた窓にインスタント珈琲の匂いがほのかに漂う教官室。
「まぁ座れや」
おっさん教官は椅子に座るよう俺に勧めた。
夏休みは立ちっぱなしで怒られたけど
今回は椅子に座らせてくれるらしい。
言われた通りに俺が座るとおっさん教官もその前にどっかりと腰をおろした。
回るタイプの椅子がキィキィと音をたてる。
おっさん教官は小指で耳をほじりながら俺を見た。
「それでお前、例の彼女とはその後どうなっとんだ?」
「え?彼女っすか…?」
予想外の問いかけに俺は少し驚く。
だけどおっさん教官は至って真面目な顔をしていた。
そんなおっさん教官に俺は小さく感動した。
夏休みのあんな小さなひとこまを、おっさん教官は覚えていてくれた。
おっさん教官にとっては、どうでも良いことのはずなのに…
「あ~あの後はお陰さまで、ラブラブになりました」
少し照れる俺におっさん教官はにやりとした。
「そうか。ちょっと気になっとったんだがそりゃ良かったわ」