俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
うんうん、と頷くおっさん教官。


「そんで今は何を悩んどるんだ?」


「…え?」


おっさん教官の言葉に俺は顔を上げる。


「お前なんか悩んどるからサボっとったんだろ?顔に書いてあったぞ」


「…………」


「また彼女となんかあったんか」


見た目鈍感そうなおっさん教官の鋭い言葉が俺の心に染みる。


俺のピンチの度に現れるこのおっさん教官。


あんたはスーパーマンか。


このおっさんになら悩みも話せるかもしれない…


俺はぽつりぽつりと昨日の出来事を話し始めた。


そしてそんな学生の恋愛の小さな悩み事なんかを


このおっさん教官は最後まで静かに聞いてくれたのだった。





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