俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
――――――…





俺が話し終えると


おっさん教官はごつくてたくましい腕を組んだ。


首をひねり小さく唸るおっさん教官。


俺はそんなおっさん教官の前で頭を垂れている。


そしておっさん教官はひとつ咳払いをして言った。


「まぁ、あれだな」


「…………」


「とりあえずお前、彼女に感謝せぇよ」


おっさん教官は席をたつと湯呑みにお茶の粉末を入れた。


「それにしてもお前、彼女に愛されとんなぁ」


おっさん教官は湯呑みにコポコポとポットからお湯を注ぎお茶を淹れた。


そしてそれを片手にまた椅子に座ると、ずずっとお茶を飲んだ。


俺が愛されてる…?


俺はおっさん教官を少し上目遣いで見た。


「俺は愛されてんですかねぇ?」


俺の質問におっさん教官は眉をあげた。


「愛されとるだろ。わからんのか?」


「…………」


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