俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
おっさん教官は当たり前のようにそう言うと


湯呑みを机に置き顎を触りながら俺を見た。


「ところでA南大学っつったなぁ?」


「あ、はい」


「おらぁお前の学力を知らんがA南は結構難関だぞ?」


「…そうなんすか?」


「あぁ、まぁ受験する学部にも寄るんだがな」


「はぁ、」


おっさん教官の言葉に少しショックを受ける俺。


そんな俺におっさん教官は聞く。


「ほんでお前はどこの学部受けたいんだ?」


「……わかんないっす」


「あぁ?」


「すんません…」


謝りながら俺は自分が恥ずかしくなった。


今まで真剣に考えることから逃げてきた罰だろう。


「志望動機が彼女だけとか…やっぱ駄目っすよね…」


そんな情けない動機だけで進路を決めるなんて


そりゃ加奈子が呆れても当然だったかもしれない。


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