俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
そんな俺におっさん教官はまた小指を耳に突っ込んだ。


「お前、何が得意なんだ?」


「え、いや、得意なこととかないっす…」


「無いこた無いだろ。例えば、通知表で何が良いんだ?」


通知表…


「体育とかは、一応5っすけど」


「お、ほらあんじゃねぇか。確かA南大は体育学部もあったかな」


おっさん教官の言葉に俺は少し焦る。


「いや、体育学部とか目指す程得意じゃないんすけど…」


確かに体育は得意だけど


俺より出来る奴なんてうんといる。


まして体育学部なんて体育会系なとこで俺がついてける自信もねぇ。


そんな俺の頭におっさん教官はげんこつを落とした。


「った…!!」


ごつっと鈍い音がして俺は思わず頭を押さえた。


「ばか野郎、なに弱腰なっとんだ!お前彼女と同じ大学行きたいんだろうが」


「…!」


「志望動機が彼女なら、それ貫き通せ」


「……!」


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