俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
おっさん教官……


「…あざっす」


おっさん教官の優しさに、俺は小さな声で礼を言うとうつむいた。


感動で胸がいっぱいだった。


今日、おっさん教官に会えて良かった。



「ふん」


そんな俺の頭を、おっさん教官は突然グリグリした。


――っ!?


「いっ痛い痛い…!」


頭をぐしゃぐしゃにされて痛がる俺に、がはははと豪快に笑うおっさん教官。


「ほら、スッキリしたならもうちゃんと授業でろ。内申悪くしとったら元も子もねぇぞ」


「…うす」


俺はおっさん教官に頭を下げると教官室を後にした。


「ありがとうございました」


出口でもう一度頭を下げる俺に


「うい~またいつでも来いや」


おっさん教官はお茶をすすりながら片手を上げてくれた。






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