俺はお前だけの王子さま～ヒロキと加奈子～
「よし…」


俺は生まれ変わったような気持ちで教室を出ると


その足で帰宅途中にある予備校へ向かった。


やれるだけのことはやろう


予備校のパンフレットをカバンに入れると俺は家に帰った。







そしてその夜


俺は親父に予備校のパンフレットを見せながら塾に通っても良いか交渉してみた。


そして意外にも親父はすんなりと２つ返事でＯＫをくれた。


「予備校は良いが、こんな時間にどこへ行くんだ？」


交渉の後、ビールに野球観戦をしていた親父は


スウェットにパーカー姿で玄関に向かう俺を見て首を傾げた。


「ちょっと出てくる、…てか俺今夜から毎晩走るから」


「走るのか？予備校といいランニングといい急にどうしたんだ？」


玄関で靴紐を結んでいる俺の後ろに親父がやってきた。


「別に…ちょっとやる気が出ただけ」


ガチャリと玄関を開けると冷たい風が頬をなでた。


「さぶ」


思わずパーカーのフードをかぶる俺に


親父は気をつけてなと言った。


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