俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
話しながら俺は膝の上で組んだ手に力を込めた。


「けど俺、加奈子といたい気持ちだけはマジだよ。ってか俺にはそれしかなくて」


「…………」


「だからその為に、これからは真面目に頑張りたいと思ってる」


そして俺は顔をあげると加奈子を見つめた。


加奈子はいつの間にかうつむいてしまっている。


「だから俺…加奈子と一緒の大学、目指してもいい?」


「……………」


「やっぱり不純な動機だと思うか?」


「……………」


加奈子は無言でうつむいたまま首だけを小さく左右にふった。


「加奈子…?」



俺が加奈子の顔を覗きこむと、その目は今にも涙がこぼれ落ちそうな程潤んでいた。


「か…なこ」


俺が戸惑った声をだすと


加奈子は照れ隠しするようにパクっとドーナツをかじった。


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