俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
そんな俺に加奈子ちゃんは続けた。


「だけど…ヒロキ君は孤独とか劣等感なんて感じなくていいんだよ?」


「…は……?」


膝の上で握られた加奈子ちゃんの小さな手が少し震えた。


「だって…ヒロキ君のことは私がちゃんと見てるもん」


濡れたまつげの下の頬が染まる。


「私はヒロキ君が好きだから…ヒロキ君しか見てないから」


「………」



「…ヒロキ君は世界一カッコいいよ。」






< 20 / 280 >

この作品をシェア

pagetop