俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
ホワイト クリスマス
この冬初めての雪がふった。
高校は冬休みにはいり、俺は今日も予備校の自習室にいた。
俺が通うクラスは、一番バカなCクラス。
そこの授業すらあまり理解できてない状態。
「…ふぅ」
俺はシャーペンをもつ手を休めて窓の外をみた。
ちらつく雪に、景色がうっすら白くなっていく。
今日はクリスマスイヴ
夜には雪が積もるかも知れない。
俺がちらりと時計をみると針は4時をさしていた。
いつもより人が少ない自習室で俺はもう一度ため息をつく。
「はぁ…」
加奈子と過ごしたかった。
初めてのクリスマスイブ…
だけど
今の俺にはとにかく時間が足りない。
勉強すればする程、自分の馬鹿さ加減を思い知り落ち込む毎日。
高校2年間のブランクがこんなに大きなものだったとは。
あとたった1年で
どこまで理解して記憶できるのか不安になってくる。
「…………」
考えだすと止まらなくなる。
余計な不安に集中力も切れた。
俺は気分転換に外の空気を吸いに行くことにした。