俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
―――結局


最後まで折れなかったのは春馬だった。


そんな春馬にその時に出された条件が、週4回の家庭教と今の進学校。


それ以下の高校なら許さないと言われたそうだ。


あの時はマジで感動した。


その後、俺は春馬の家にしばらく出入り禁止になったけど。




「くく…」


思い出しながら俺は苦笑いした。


中3の俺は、春馬の想いに感動してやる気が出たはいいが


あの時の俺もちょうど今みたいに焦っていた。


中学の2年間、サボりまくったブランクであの時も基礎からやり直しだった。


真面目に勉強するのは初めてだった俺。


今以上に不安や焦りで潰れそうだった。


そういえば…


そんな時に春馬が言ってくれた言葉があった。


なんだっけかな…


「不安に…」


< 207 / 280 >

この作品をシェア

pagetop