俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
帰り始めた海水浴客たちが
次々と前を通り過ぎる。


通り過ぎながら


俺とその隣で泣く加奈子ちゃんとをチラチラ見ていく。



加奈子ちゃんのラストの告白に

状況を理解してない馬鹿な奴がピュー♪と口笛を吹いた。



空気よめよ…



そんな冷やかしに加奈子ちゃんの耳が赤くなる。


加奈子ちゃんは恥ずかしそうに涙を拭くと少し笑った。


「こんなとこで…突然泣いてごめんね」



「いや…俺こそ…ごめん」


戸惑う俺に加奈子ちゃんは首をふった。




「ヒロキくん疲れてるんだよね?もう帰ろっか」


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