俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
海から帰ると

俺より先に仕事から帰宅していた親父が飯を作っていた。


飯を作って…と言っても
レトルトが大半に惣菜を合わせた感じ。


男2人の食事だし。


インスタントとか弁当とか普段からそんな味気ないもんばっかだ。


「帰ったのか」


キッチンから親父が俺を見た。


「…ん~」


俺は気だるく返事をすると親父が用意してくれた料理を運んだ。


箸の音とTVの野球中継だけが響く静かな食卓。


親父は2本目のビール缶をあけた。


母親が消えてから俺も荒れたりで、親父との会話はかなり減った。


親父は消して悪い人じゃない。


普通の公務員。



ただ別に特に話す事がないだけ



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